エステイト日記

「不明相続人の不動産の持分取得・譲渡」解決事例

「不明相続人の不動産の持分取得・譲渡」解決事例

 

 相続した不動産で、所在がわからない共有者がいる場合、そして相続から10年以上経過している場合、不明相続人の不動産の持分取得・譲渡制度を活用できるか?自分の場合も該当するのか?詳しく知りたいと思いませんか?

 

弊社では、不動産鑑定士が、不動産の売却や購入などの相談に対応させて頂いております。不動産の相談内容も多岐に渡りますが、他社ではなかなか解決が難しいような案件も対応しており、弁護士の先生からの依頼も受け付けております。

 

本件は、そのような弁護士の先生から受けた相談の事案になります。

 

依頼者は、市外にお住まいでしたが、お父様が亡くなったことをきっかけに西宮市の不動産を相続しました。ご自身が生まれ育った家の相続でしたが、自身が手掛ける事業で資金が必要だった事もあり、実家を売却することを決心されました。

 

売却するためには、まず自分の名義に変えるため相続登記をしなければなりません。その手続きのため、お父様の戸籍謄本を集めていると、お父様には、実は、もう一人の子がいることがわかりました。

自分の知らない兄弟がいることを知るだけでもショックは大きいと思いますが、売却できると思っていた不動産が、相続による共有状態のため、見たこともない兄弟に会い、話を纏めなければならなくなったことも厳しかったと思います。ところが、この兄弟の住所はわかったものの、実際にその住所を訪ねても、既に転居しているようで本人に会うことはできません。会う事ができなければ不動産を売ることもできず、不動産の売却プランは遂には頓挫してしまうのでした。

 

お父様が亡くなられてから、10年が過ぎようとした頃、民法が改正される事態が起きました。

 

 

この民法の改正により、所在等不明の相続人の不動産の持分取得・譲渡を可能とする特則が制定され、相続により不動産が遺産共有状態となったものの相続人の中に所在等が不明なものがいるケースでも、所在等不明相続人との不動産の共有関係を解消するためにその持分の取得・譲渡ができるようになりました。(新民法第262条の2,第262条の3)

 

そして、相続開始時から10年が経過しましたら、共有者は、裁判所の決定を得て、所在等不明相続人の不動産の持分を、その価額に相当する額の金銭の供託をした上で、取得することができるようになりました。

 

この民法改正を知った依頼者は、早速、弁護士の先生に、裁判所の決定を得られるようにして欲しいと相談をしました。

 

そうして、弁護士の先生が、私たち不動産鑑定士事務所に、裁判所に供託するため、不動産の価額、そして不動産の持分の価額を求めるよう依頼されました。

 

弊社は、不動産鑑定士として、不動産の価額を求め、弁護士の先生から裁判所に提出してもらいました。

その後、本当に所在等不明相続人が名乗り出ないか官報により公告する期間を経ましたが、それでも、所在等不明相続人は出てこなかったので、この方の持っている持分を、裁判所の決定により全部移転することができました。

 

すべて自分の持分にすることができた依頼者は、弊社で不動産の売買もできることを知り、そのまま不動産の売却を行うこととなりました。

 

不動産鑑定士として、そして宅地建物取引士として、この仕事に携わった上で、感じたのは、この「不明相続人の不動産の持分取得・譲渡」はどんな時でも有効に活用できるわけではないということです。

 

まず、この制度を活用するためには、弁護士の先生、不動産鑑定士、街の不動産屋に対して報酬を支払わなければなりません。場合によっては、土地の境界を確定したり、建物を解体しないといけません。

 

そのため、この売却したいと思う不動産は、それなりの金額で売れる必要があります。

したがって、駅から遠い場所にあったり、原野のどこに位置するのかもわからないような不動産は売値よりも、売るための費用の方が高くつくから、制度を活用してもメリットは少ないと思います。

 

また、不動産の価額を求めた場合、その価額が高額だった場合は、供託金も多く支払わなければなりません。すなわち、自己資金がそれなりに確保できていないと供託ができないのです。

 

弊社では、不動産鑑定士として、また宅地建物取引士として、この制度を全体的に俯瞰して、戦略を練ることを行っています。また、弁護士の先生、土地家屋調査士、解体業者さんとも連携しており、適切なサービス提供を心がけています。

 

弊社であれば、不動産鑑定士と宅地建物取引士へ依頼する仕事を一括することができ、その分、サービス提供料もリーズナブルにすることができます。

 

相続した不動産で、所在がわからない共有者がいる場合、そして相続から10年以上経過している場合、制度を活用した方が良いか相談にのりますので、お気軽にお声がけください。

 

(文責:長谷川大輔)

 

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