大阪淀川ロータリークラブの例会卓話にて「不動産価格戦略」についてお話させていただき、会報にも掲載いただきました。その様子をこちらにもUPしたいと思います。
1.はじめに
大阪淀川ロータリークラブでの卓話のご縁を頂きましたことに感謝申し上げます。
2.自己紹介
私は、不動産鑑定士と宅地建物取引士の二つの資格を活かして仕事をしております。実父、妻義父が不動産鑑定士という濃い環境の中、「市場価格の奥に存在する本質的価値の追究」をライフワークに掲げ日々精進しております。
3.内容
今回は「不動産価格戦略」というテーマで、不動産の価格に纏わるお話を幾つかさせて頂きました。はじめに、1つの物に4つの価格が存在するという土地の「1物4価」について、実際の大阪駅前の公示地や路線価等を紹介しながらお話させて頂きました。
その後、不動産鑑定士として適切な価格(賃料)の把握が難しい不動産、宅地建物取引士として不動産の売却時に経験した目に見えないリスクを抱える不動産について実例を交えながらお話させて頂きました。
価格(賃料)の把握が難しい不動産としては、借地借家法による賃借人保護により賃借人に退去頂くことは容易ではなく、相当の立退料の支払いが必要となり、古い収益用不動産の適正価格の把握は難しい事、使用借権は相続税法の世界と実際の世界では扱いが大きく異なる事、継続賃料の性格を紹介しながら一度約定した家賃の増額が簡単ではない事等をお話させて頂きました。
目に見えないリスクを抱える不動産としては、私道に埋設されている共同利用管の増径承諾が容易ではない事、先代の口約束で譲り受けたと信じていた土地に思いがけない税金が課された事、立地が良くても間取り変更ができず良い価格で売ることが難しい古い区分所有マンションの事等をお話させて頂きました。
不動産は一つとして同じものがありません。それだけに、不動産を公平に分けることなどはとても難しいことです。加えて、不動産は人間よりも長く存在することが多く、事業者としては、いかにして不動産を次の世代に承継させるかは宿命的な課題と言えます。不動産の取引はご縁のものですので、いざという時のために、できることは早めに対処しておくことをお勧めしました。
複雑で高額な不動産の取扱いには、専門的かつ体系的な知識と経験、適切な戦略・タイミング・コミュニケーションが必要です。しかし、これらの根本となるのは、不動産の価格の正しい把握です。価格の把握を誤れば良い結果を導くことが難しくなります。
4.卓話を終えて
皆様がしっかりとお話を聞いて下さるのがとても有難く、頂戴した30分はあっという間でした。今後の不動産との関わり方において何か少しでも助けとなれば幸いです。

長谷川 大輔(不動産鑑定士)
(文責:長谷川大輔)
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