家賃値上げしたい! 家賃値上げされた💦 その時どうする!?
最近、物価が高くなり、マンションや土地の値段も値上がりしているので、「家賃を上げたい!」という大家さんが多いように思います。
大家さんは、家賃を上げる根拠として「近所で募集している高い家賃の物件資料」を挙げられることが多いように思います。
事例)例えば、不景気な時代に10万円で貸していた部屋があり、物価高で周りの物件の家賃も値上がりしてきて、棟内の新規入居者に対しては、15万円で貸し出すことはあります。それならば、10万円で契約した現在居住している入居者さんにも同様に適用して、15万円にしたい!というオーナーさんもいらっしゃいます。
大家さんが賃借人さんに対して、周囲の募集賃料を根拠として、値上げを要求するのは別に問題ないと思いますが、この家賃の争いがエスカレートして、裁判となり、我々不動産鑑定士が「不動産鑑定評価書」を書くこととなった場合は、正直、15万円という結論は出さないでしょう。
不動産の鑑定評価ではもっと細やかな分析を行います。
大家さんが賃借人さんに対して、周囲の募集賃料を根拠として、値上げを要求するのは別に問題ないと思いますが、ここで、一つ注意が必要です。
この家賃の争いがエスカレートし、裁判となり、我々不動産鑑定士が「不動産鑑定評価書」を書くケースに発展することもありますが、裁判での結論の見通しを知っておくことは重要です。

では、どうすれば、争いなく 物価高の時代に 家賃を適正化できるのか?
それには4つの手法があります。
継続家賃の鑑定評価では、①差額配分法、②利回り法、③スライド法、④賃貸事例比較法の4手法を使い、それらを調整して最終的に継続家賃を決定します。
まず、大前提として、改定後の家賃は、「今の家賃」と、そのお部屋を別の第三者に新たに貸し始める時の「新規の家賃」のあいだで決まることとなり、一足飛びに「新規の家賃」のレベルまで上がることはありません。継続家賃の鑑定評価では、当初の契約内容を重視します。
①差額配分法とは?
「今の家賃」と「新規の家賃」のあいだの乖離がどれぐらいあるかを把握し、改定後の家賃がどこになるかを決めるのが差額配分法です。
・例えば、契約当初家賃10万円で現在もお住まいの方の家賃が10万円で、現在新規で入居される方が15万円だとした場合、この間の10万円~15万円の中心値前後(12.5万円前後)が結論になりがちです。ここから大きくずれるには、それ相応な事情(値引する事情がなくなったなど)が必要です。
もちろん、事例ごとに変わってきますので、元々が高額だった家賃の場合、元々実はかなり割安の家賃だった場合など、それ相応な事情の有無によって判断は変わってきます。
②利回り法とは?
地価の上昇を家賃に反映させたい時の手法は利回り法です。契約当初の不動産価格と家賃との割合を、現在の不動産価格に乗じて試算します。
契約当初に、相場と比べても安い水準の賃料であった場合には、利回り法では、その安い利回りを重視します。
・例えば、契約当初の不動産価格が2000万円の物件で、家賃が10万円だった場合、10/2000*100%=0.5%の利回り で 現在の不動産価格が4000万円の場合は、
4000万円×0.5%=20万円 という風に考えられる手法です。
③スライド法とは?
物価水準の高騰に見合った家賃が欲しいという視点に見合った手法は、スライド法です。現在の家賃に、物価上昇率などを乗じて試算します。
・例えば、契約時と現時点とで物価上昇率が10%なので、家賃を10%上げたいというような手法です。
④賃貸事例比較法とは?
(継続)賃貸事例比較法は、棟内で、契約時期が同じお部屋の家賃が改定された場合など、類似性の高い事例があったときにそれを参考とする手法です。
・例えば、契約時期が同じで10万円で契約した住人の方が10名いらっしゃる1棟の賃貸の場合、地価の値上がりや、オーナーの変更、近所に新駅ができ価値が高まったなどの理由で、全住民に13万円に値上げ通知をしたところ、8名が応じた場合、応じない残りの2名に対して「みんなも応じたので、家賃は13万円が妥当である」と説得したい時に使われる手法です。
裁判になった場合、大家さん側も、借主側も「不動産鑑定評価書」を裁判所に提出し、結局、裁判所経由で発注する第三鑑定によって結論が決まるケースが多いです。
そして、相手側が提出した「不動産鑑定評価書」の不備をつく意見書を書くのも我々の仕事です。
このような4つの手法を知っていただくと、裁判の結果に楽天的な希望を持ちすぎて無駄な裁判を起こしたり、借主さんが大家さんから訴えられて絶望することもないでしょう。
家賃について不満や悩みのある方、お気軽にご相談ください。
(文責:長谷川大輔)
>不動産鑑定のご相談
>不動産相続のご相談
>借地・底地のご相談
西宮・芦屋・神戸・尼崎・宝塚・伊丹・大阪
小林エステイトでは不動産のご相談は初回無料で承っております。お気軽にお問い合わせください。