先日、市外から西宮への生活保護の方のお引越しの賃貸の仲介をさせていただきました。
うちの母が県立西宮高校の名簿に協賛広告を出しているのを見て弊社にお越しになられたというご縁でした。
生活保護を受けている地方公共団体を出て行き、別の市で引き続き生活保護を受けられるのかどうか、私もよくわりませんでした。せっかくもらえていた生活保護がもらえなくなったら生き死ににかかわる大ごとだと思います。
結論からいって、引っ越ししても無事、生活保護はつながりました。
ご本人が引越前に地方公共団体のケースワーカーさんと密に連絡をとり、そのケースワーカーさんが西宮市と連携をとってくれていたおかげだと思います。
生活保護を受けているケースワーカーさんと私がお話した時、「勝手に引っ越ししたら生活保護をもらえませんよ!」と言っていたので、引っ越し先の情報を知らせるなど、入念な打ち合わせを経れば行政区をまたいで保護費がつながるのかなと私は思いました。
とはいえ、引っ越し前に「大丈夫」というお墨付きを西宮市からもらえたわけではありません。
西宮市の生活保護の担当の方は、「引っ越し後でないと、生活保護を受けれるかどうかの捜査権がない」のだと言ってました。
現在、家を借りたい場合には、大家さんから連帯保証人と家賃保証の両方を求められることが一般的です。
家賃保証というのは、ここ20年ほどのあいだで一般的になった制度なのですが、借主が家賃を滞納した場合に、貸主に対して家賃の立て替え払いを行うという保証です。また、家賃保証会社は、保証をかける前に、借主の滞納歴などをチェックして、借手として適切かどうかの審査を行い、家主の判断を助けるという意義もあります。
生活保護の方は、行政区域を超えて引っ越そうと思っても、引っ越し後の生活保護の受給を保証してもらえないので、家賃保証会社の審査が通りません。
賃貸の現場では、家賃保証必須の物件がほとんどなので、家賃保証なしでも良いという大家さんを探すことが困難と思われます。
今回は、昔から賃貸業をされていた大家さんだったので、家賃保証にさほどこだわらず連帯保証人をたてるということで賃貸を承諾していただけました。
また、今回の借主さんは、ご親戚が連帯保証人になってくださるという僥倖もありました。
大家さんが生活保護の受給理由が何かということを気にされますが、本件はここもクリアできました。
今回の借主さんは、今までに何度か引っ越しをしたいと思いながらも、かなわなかったと言います。ここに来てよかった、本当にありがとうございました、と心からおっしゃっていただき、私としてもお役にたったやりがいを感じた案件でした。
(文責:長谷川由紀)
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